【活動の記録】

 毎年恒例で春秋2回のユニセフチャリティ音楽会が美唄市のアルテピアッツア(芸術広場)で開催されています。ここは、美唄出身の世界的彫刻家安田侃さんの作品が配置された広場。廃校になった小学校を利用したもので、音楽会の会場はその体育館なのです。音楽会は美唄市立病院の小児科医でいらっしゃる永田先生がご尽力されて開かれています。美唄を中心に音楽愛好家が集い、おのおのが日頃の成果を発表するというユニークな音楽会です。
 この音楽祭には毎回北海道支部を呼んでいただき、会場でユニセフグッズ販売のコーナーを設置させていただいています。写真は春の公演風景も含めて掲載しました。

【2006年春 第14回】
2006morinoongakukai-haru.jpg  今年は6月3日(土)に開催されました。ジャワ島地震直後ということもあり、グッズ販売の他、出演者の参加費をそっくり募金に回していただくといううれしいお心遣いをいただきました。

【2006年秋 第15回】
2006morinoongakukai-aki.jpg  「森の広場の音楽祭」の秋版です。11月18日に開催されました。ちょうど支部主催の「ユニセフ広場」最終日と重なったため二隊に別れて対応しました。美唄はもう雪でしたよ。

◆2006/03月

ラオススタディーツアー現地視察報告 「 トラフィッキング(人身売買) 」編

■トラフィッキング(人身売買)について

laos_trafficing.jpg トラフィッキングの被害者の多くは12~18歳の少女たちという報告があります。内訳を見ると、63%は18歳未満、33%は19~29歳であり、4%は30歳かそれ以上です。

左記の写真は「 友好橋のトラフィッキング広告版」で、 2005 年 3 月より国境近くや主な幹線道路沿いに設置されました。これを含め 5 種類の看板があり、それぞれ 2 ~3か月おきに循環させています。看板を見て、目だっていい・ トラフィッキングについてよくわかる様になったなどと評価されています。

この広告版は、労働福祉省とユニセフが協同して作成、設置しています。

ユニセフでは子どもや若者が守られ、安心して生活できる環境を作るために活動し、反トラフィッキングの事件の起訴や法制度の強化、若者への予防策などの取り組みを支援しています。

看板内容

よく考えれば大丈夫。人身売買の被害者にならないで!!

私は騙されました...。いい仕事に就けると思っていました。

でも、ほとんど休む間もなく、一日中つらい仕事をしなければならないのです。

女性と子どもの人身売買は違法です!!

 

 

■船着場で活動視察

laos_ship.jpg右の写真はメコン川で、 対岸は"タイ"です。川幅の狭い所もあり簡単に泳いで渡れるため不法入国者も後を絶ちません。最近ではタイでの単純労働も期間限定で許可されるようになったことから、安易にタイに仕事を求めて出てゆきます。特に貧困地から多く出てゆきます。調査で分かったことは、タイとの共同のお祭りがあり、そこに出掛けたまま戻らない者もいるようです、また、それは人身売買の可能性もあります。被害者の保護は毎日ありますが、 2000 年には、ユニセフとラオス、タイ警察が協力して 400 ~ 500 名近い被害者を保護しています。

不法入国とトラフィッキングの違い

不法入国・・・自分の意思で不法に入国すること。始めは正式に働きに行くがビザが切れてもそのまま働くケースも多い。タイ側で見つかると、罰金が科せられたり、刑務所に入れられることがある(ドラックなど)。

トラフィッキング・・・だまされて他国につれて行かれ 強制労働などさせられること。(人身売買)

◆2006/03月

ラオススタディーツアー現地視察報告 ラオス「HIV/エイズ」編

HIV/エイズを未然に防ぐために、人口の1%以上の感染に及ぶと危険とされる目安があります。ラオスは未だ 1%未満の結果でしたが、感染の発生率は実際にはもっと高くなると思われます。その裏づけは隣国であるタイ、ミャンマー、カンボジア等ではHIV/エイズ感染者が1%を超えている現状があるからです。またトラフィッキングの被害者はHIV/エイズの被害にもつながっており2000年以降感染者は2倍にも増えています。これからも患者が増えることは必至であり、今こそ対策が急がれています。

 

セッタテラット病院を視察
laos_hospital.jpg病院の中に唯一 HIV感染者の身体と心のケアのための働きを行っています。感染者が積極的に社会に参加できるよう手助けするため「明るい家族」と称して2003年11月に発足しました。ここに通院するエイズ患者は145名(内病名を公表しているのは94名)です。子どもの患者は14名(内親がいない子どもは7名)です。

午前は薬の飲み方のアドバイスを受けたり、患者同士が互いに経験を話し合うことによって極度の不安を和らげ励ましあい互いを助けます。

午後は僧侶から心のケアを受けメータータン(仏教で思いやり)の心を育てます。また病気の不安を少しでも解消されるよう瞑想して心の落ち着きを戻させます。

入院室は今年の 1月11日にオープンしたばかりです。病室はがらんとしてベットが2~3台あるのみです。器材は何時揃うかも分からず、入院室としての機能を果たしていませんでした。(写真左)

 

laos_nurse.jpg5歳の男の子が肺炎のため点滴を受けています。(写真右)男の子は母親の胎内でHIVに感染しました。母親は夫が死を迎えるまで感染者であることに気がついていなかったと言います。このようにまだまだ認めたくない人、村での差別を恐れ検査を受けない人が多く子どもへの感染率を高めてしまいます。

 

★衣類工場にて「HIV/AIDS」の活動視察

laos_irui.jpg貧しい地域の若者は、ビエンチャンに仕事を求めて親元を離れます。そうした少女たちが1千人ほど働く縫製工場を視察しました。

ここでは 16歳以上の女性が働いていますが、自己申告のため16歳以下の少女も含まれている可能性はあるようです。夜遊びなどでHIV/エイズの感染の可能性が高くなるため、生活習慣を整えるためにも寮生活を基本としています。約半年ぐらいすると、より良い収入を求めて転職していきます。

この縫製工場でのユニセフの役割は、 HIV/エイズ感染予防プロジェクトとして、ラオス政府の労働福祉省とラオス貿易連盟へ働きかけ、少女たちへのワークショップ開催促進とファシリテーター養成を進めています。ファシリテーターの交通費や日当の支給もユニセフの支援によるものです。

カリキュラムは①どのような状況の人と性交渉を持つと感染するか②体のどこから出る体液が HIV感染に関係するのか③HIVに感染したとき、どのように体から出てゆくのかなどの問題を絵を使うことで、少女たちにわかりやすく、様々なパターンを検証していました。少女たちが工場を出て次の職を見つけるまでに年2~3回は行われています。

 

★HIVと生きる自助救済グループ視察

  laos_bag.jpgのサムネール画像

感染者対策(治療・健康保持・差別解消等)で無視できない大きな問題が「経済的な問題」です。経済的自立なくしては、薬も買えず療・健康保持もできません。訪問した縫製グループは、2005年11月にメンバー2人で始められ、現在7家族が参加する小さなグループでした。ユニセフと NGOメータータン(仏教用語で思いやり)プロジェクトの援助で2台の中古工業用ミシンと3台の中古家庭用足踏みミシンが置かれ、メンバーが熱心に縫製作業をしていました。工業用ミシンが足りないため技術的に未熟な部分もありますが、お祭りの市で売るなどして収入を得る喜びと、この会を広げて他の人たちも助けられるようになりたいと話してくれました。壁には出来上がった作品が飾られ(写真右)、HIVと共に生きる姿に強さを感じました。

◆2006/03月

ラオススタディーツアー現地視察報告 ラオス「子ども保護」編

laos_hodo.jpgラオスの人口は約570万人。内50%は18歳未満です。法律では15歳未満の労働はできないという基準がありますが、5~14歳の子どもの32%は働いています( 2000年調査)。

タイに労働を求める子どもが5万人以上(メコン川を渡って簡単にタイに行き来するため、正確な数字は不明とされている)と推定されます。

子ども保護には、ストリートチルドレンの子ども、そして国の発展と共に、子どもトラフィッキング(人身売買)、HIV/エイズ、といった新しい問題が浮上してきています。

 

ストリートチルドレンについて

貧困の為ストリートチルドレンの子どもも多く、保護施設では1日に40人の子どもが保護されることもめずらしくありません。 子どもたちの これらの原因の一つは貧困のためでもあります。

 

保護施設プアンミット・ファミリーセンターを視察しました。
  laos_puanmit.jpg保護される子どもたちの50%はストリートチルドレンで占めます。受け入れ年齢は 1歳から21歳まで。男女25~30名位が宿泊しています。ここでのスタッフは 27名。授業は昼・夜 ・週末(日曜日)体制で、昼間は普通の授業(読み書き、数学、歴史)やスポーツ・保健衛生などの授業を行います。センターでのルールやスケジュールは字が読めない子のために壁に絵で紹介しています。ここでの授業に慣れると徐々に一般の学校に行かせます。大きい子には技術を身に付け自立できるよう応援します。

ここでのユニセフの活動は、労働福祉省とストリートチルドレンのために活動する団体「フレンズインターナショナルプロジェクト」をサポートしています。

3.ラオス 「教育」編

◆2006/03月

ラオススタディーツアー現地視察報告 「教育」編


laos_kyouiku.jpgラオスの教育制度は5・3・3制です。6歳から5年間の初等教育は義務教育になっていますが、教科書は今年から各自で購入(3冊24000キープ=約240円)しなければならなくなりました。購入できない家庭は古い教科書を使っています。
全ての小学校で5年生までの学級があるのは41%です。小学校の就学率は上がってきてはいますが約14万2千人以上の子どもが今も教育が受けられない状態にあります。中でも少数民族の女の子は不利な状態に置かれています。
教員の給与が著しく低いため兼業せざるをえない教員も多く、教師たちの育成も十分でありません。

ユニセフの支援プロジェクト「子どもにやさしい学校」では、生徒にとって学校に通いたい、楽しい、と思える学校づくりを行い、子どもの就学率を上げ教育の質を上げる取り組みが行われている学校を訪問しました。

 

■「子どもに優しい学校」小学校訪問
ビエンチャン市内にあるポーンホーン郡の学校でモデル校として選ばれた小学校を訪問しました。14名の先生がいます。以前は出来ない子どもであっても気に留めることなく授業を進めていましたが、今はよく子どもを見るようになったと言います。休んでいる子どもにも家庭訪問をするようにしています。このように先生たちの意識も変わり、子どもたちが学校を好きになるための工夫をします。親たちも学校に対して協力的になったそうです。他に英語教師を配置し成績のレベルアップを図ります。

 

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職員室の一角には図書コーナーがあり、自由に子どもたちが出入りし横になりながら本を見ます。
昼休みは1時間半あり、家が近い子どもは家庭に戻って食べることも許されています。
ここでの就学率はほぼ100%に近いそうです。山岳部にある学校とは様子も変わり内容も充実してきています。

 

■「僧侶による授業」中学校訪問
ビエンチャン市内にある中等科の授業を訪問しました。今回、新しい試みでスタートした授業の教師は僧侶です。ラオスは仏教国であり村に学校が無くてもお寺は必ずある、というほど僧侶の関わりが深くなっています。また、位のある僧侶は教育も受けており、人々から尊敬され、僧侶の言うことには耳を貸し従がいます。
ユニセフの者が直接講壇に立つことはなかなか許可が下りません。そのためユニセフの情報を僧侶に伝え「HIVエイズ」のファシリテーターを務めてもらっています。今回はHIVについて「性交渉による病気」はどのような態度から引き起こすか、具体的にグループごとに意見を出し合う授業を行っていました。
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