中東・北アフリカ緊急募金 第3報
リビア:国境地帯で支援活動に参加するチュニジアの人々
【2011年3月7日 チュニジア発】
国境地帯のラスジェディールに到着すると、人々は、検問所付近で、ボランティアやチュニジアの赤新月社をはじめ様々な人道支援団体から、食糧や飲料水、毛布を受け取ります。その後、7キロ離れた場所にある避難キャンプにバスで移動し、帰国の許可がでるまでそこで生活することになります。
現在、推定1万3,000人が避難キャンプに滞在しています。そのほとんどが、バングラデシュから働きにきていた男性の労働者です。ユニセフは、国境を渡る人々の安全を確保するべく、地元当局をはじめとするパートナー団体と協力して、手続きや支援の受け方の案内や支援物資の提供の他、心理的ケアの支援も行っています。
団結の精神
食糧の配布を手伝っているイブティヘルさん(16歳)とオウスサマさん(18歳)は、チュニジア南東部に位置するジャルジース出身の高校生。また、学校に残っている同級生達は、募金活動を始めました。こうした活動は、彼らが望んでいた以上の成果をもたらしています。
「避難してくる人たちに配るための食糧を買っていることを知ると、お店の人は、沢山の食糧を無料で分けてくれました。」オウスサマさんは話します。
国境地帯が混乱し始めてから、チュニジアの人々のこうした団結した行動が各所で見られています。(リビアを逃れて来た)労働者は、大抵、数日間飲まず食わずでやってきます。彼らを助けるため、イブディヘルさんたちのような若者のボランティアだけでなく、子どもからお年寄りまでが重要な役割を果たしているのです。
「周囲の人々が苦しんでいるのに、ただ座って見ていることなんてできません。」「こうした人々を助けることは、私たちの務めです。」イブティヘルさんはこう話します。
不確かな未来
© UNICEF Tunisia/2011/Ramoneda
リビアとの国境地帯、ラスジェディールにある避難キャンプのテントに座るソマリアからの移民の親子。
© UNICEF Tunisia/2011/Ramoneda |
リビアとの国境地帯、ラスジェディールにある避難キャンプのテントに座るソマリアからの移民の親子。 |
ゼンナットさん一家は、いつもなら車で2時間の道を、6時間も掛かって逃げてきました。途中、新たに作られたいくつもの検問所で止められたのです。同じようにして逃れてきた他の人々と同様、ゼンナットさん一家の携帯電話とメモリーカードは、そこで没収されました。
ソマリア出身のアブ・マホメッドさんは、さらに先の見えない状況に直面しています。マホメッドさんは、2009年に仕事を求めてリビアへやってきましたが、拡大する混乱を避けるために、妻と生後6ヵ月の息子を安全なところに移動させることにしました。
「私は24歳ですが、私が生まれてから現在に至るまで、祖国には政府がありません。」「ソマリアに戻ることはできません。でもどこへ行けばいいのかも分からないんです。」
国際社会の支援を要請
キャンプに避難してくる人の数は、当初は1日平均1万人に達していましたが、現在は約2,000人にまで減りました。しかしながら、いまだに全体の被害状況を把握することは困難な状況です。リビア国内の通信手段が限られており、ユニセフは、拡大を続ける混乱の中で、多くの女性や子どもたちが影響を受けていることを非常に憂慮しています。
ユニセフは、14人のメンバーからなる緊急支援チームを編成し、状況が安定し次第、いつでもリビア国内で活動が始められる体制を整えています。また、この一環として、赤新月社はじめリビア国内のパートナー団体とも連絡を取り合っています。
ユニセフは、危険に晒されている女性と子どもたちの緊急のニーズに対応するべく、当面(3ヵ月)必要な資金として、720万米ドルの支援を国際社会に求めています。
中東・北アフリカ緊急募金 第2報
リビア:支援物資160トンが、間もなく到着
【2011年3月3日 ニューヨーク発】
混乱が続くリビア。何万人もの人々が、エジプトとチュニジアに避難しています。ユニセフは、危険に晒されている女性と子どもたちの緊急のニーズに対応するべく、緊急支援物資を現地に急送しています。ユニセフは、こうした活動に当面必要な追加の資金として、720万米ドルの支援を国際社会に求めています。
この混乱の影響を受けている子どもたちの支援のための衛生キットや食糧、また、心のケア支援用のレクリエーション関連物資など、160トン以上のユニセフの支援物資を載せたチャーター機が、エジプトとチュニジアに間もなく到着する予定です。ユニセフ本部のルイス・ジョージ・アーセナル緊急支援プログラム部長は、他の人道支援団体との調整や状況の把握などの一連の活動の陣頭指揮をとるために、既にチュニジア入りしました。
「国境地帯は、人で埋め尽くされています。」「数日前までは、国境を超えるのに4時間しか掛かりませんでした。しかし今は、4日も掛かっています。かなり緊張が高まっています。」
混乱の影響
また、ユニセフは、14人のメンバーからなる緊急支援チームを編成。状況が安定し次第、いつでもリビア国内で活動が始められる体制を整えました。また、この一環として、赤新月社はじめリビア国内のパートナー団体とも連絡を取り合っています。
ユニセフは、中東と北アフリカ諸国で拡大している一連の政情不安や暴動によって、子どもと若者の死傷者が出ていることを非常に懸念しています。特に、リビアの女性と子どもたちの安全が確保されるよう、警鐘を鳴らしています。
「子どもたちは、いかなる形態の危険にも晒されるべきではありません。そうした危険に晒されることは、子どもたちの身体だけでなく心にも、長期にわたって影響を与えることになるのです。」ユニセフのアンソニー・レーク事務局長は、こう訴えています。
最も弱い立場の子どもたちを守るために
リビアを逃げ出してきた最初の人々は、エジプトとチュニジアへの帰国者か、外国人労働者の男性がほとんどでした。しかし、紛争が長引くにつれ、リビアから避難を余儀なくされた人の数も増え、最も弱い立場の女性と子どもたちの割合も徐々に高まっています。
ユニセフは、紛争にかかわる全ての当事者に、何をおいても子どもたちを保護し、避難を強いられた子どもたちとその家族が、様々な緊急支援を享受できる状況を確保するよう、強く訴えています。
リビア国内で、大規模な人道支援が必要とされる状況はまだ確認できていませんが、紛争が長引くにつれ、負傷者の治療などの問題だけではなく、基本的な社会サービスの継続や生活必需品の供給などの問題への懸念が高まっています。ユニセフはじめ、子どもたちの支援に取り組む団体にとって、現況を非常に憂慮させる情報が、リビア国内から断片的に漏れ伝わってきています。
中東・北アフリカ緊急募金 第1報
混乱が続くリビア ユニセフの対応
【2011年3月2日 ニューヨーク・チュニジア発】
ユニセフのルイス・ジョージ・アーセナル緊急支援プログラム部長は、2日(水)に現地入りし、政府当局、他国連機関、チュニジアの赤新月社とチュニジアで面会。リビアの混乱で求められている人道支援について協議しました。
エジプトとチュニジアの国境で人道上緊急に必要とされている160トン以上の支援物資を載せたユニセフのチャーター機が、今後数日のうちに、近隣の二都市に到着する見込みです。
この第一便には、衛生キット、栄養に関する物資の他、レクリエーションや心理社会的なケアのための物資等、最も重要な支援物資が含まれています。リビアから国境を越えてチュニジアにやってくる人々の数は、現在のところ比較的少ないと報告されていますが、ユニセフは、リビア国内の子どもたちと女性たちが、この混乱によって深刻な影響を受けているものとみて憂慮しています。
アーセナル緊急支援プログラム部長は、チュニジアとリビアの国境の街ラスジェディールを訪問し、リビアの混乱から避難してきた人たちと会う予定でいます。また、チュニジア国境にいる人々のニーズを話し合うため、人道支援スタッフや地元当局者たちと会う予定です。
今日(2日)、ユニセフは、リビアの混乱の影響を受けている子どもと女性の緊急支援活動に必要な資金として、720万米ドルを要請しました。数日以内に国連の共同緊急アピールの一部として発表される予定です。
この緊急アピールで求められている資金は、ユニセフが、リビアの混乱によって避難を強いられた人々や移住労働者のニーズに対応するべく、チュニジアとエジプトの国境で既に活動しているスタッフを増員し活動規模を拡大するために、緊急に必要とされています。ユニセフは、チュニジアとリビアの国境で、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国際移民機関(IOM)、チュニジアの赤新月社と協力しながら活動を続けています。
日本ユニセフ協会は、緊急募金を受付けています。引き続きのご協力をどうぞ宜しくお願いいたします。
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郵便振替:00190-5-31000 | ||
口座名義:財団法人日本ユニセフ協会 | ||
*通信欄に「中東・北アフリカ」と明記願います。 | ||
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なお、当緊急・復興支援に必要な資金を上回るご協力をいただいた場合、現在行われている他の緊急・復興支援に活用させていただくことがありますので、ご了承願います。