【2009年10月】

【ユニセフ 人道支援活動を開始 被災者の3分の1は子ども】
20090928sumatora.jpg[2009年10月1日 ジャカルタ発]
インドネシアのパダンの倒壊した店や家屋の前を通る人々。


ユニセフは、9月30日にインドネシアのスマトラ島沖で発生したマグニチュード7.6の地震の被災者に対する緊急支援のため、ユニセフのインドネシア事務所から人道支援スタッフを派遣しました。スタッフは西スマトラ州に入り、大地震の被害を受けた子どもとその家族たちの、保健、水、衛生、教育面でのニーズを迅速に調査しています。

推定によると、大地震により命を失った人の数は、9月30日の段階で少なくとも500人。死亡者の数はさらに増えると見られています。海に面した州都のパダンとその周りの高台では、何万人もの人たちが家から避難を余儀なくされました。地震の被害の影響を受けた人の3分の1は子どもたちと見られます。

「子どもたちのニーズは大きく、緊急性を要します。安全な飲み水、シェルター、日常生活を取り戻すための支援が必要です。」と、語るのはユニセフ・インドネシア事務所のアンジェラ・カーニー代表です。

「地震に遭った子どもたちは、下痢性疾患や呼吸器疾患などを含む疾病にかかる恐れがあり、はしかやポリオなど、予防接種で防ぐことができる病気にかかりやすい状態にあります。また、(倒壊した家屋などで)ケガをしている場合は傷口から菌が入り、破傷風にかかる危険性も高いと言えます。」

ユニセフはインドネシア政府と共に、安全な飲み水、衛生施設(トイレ)、衛生キットなど、当面必要とされる物資を提供すると共に、子どもたちを保護するサービスや、子どもたちのための安全な場所を確保するサービスも予定しています。また、緊急用の幼児教育キット、テント、スクール・イン・ア・ボックス(教育キット)を提供し、子どもたちが早急に学校に戻り、1日でも早く安全な日常生活を取り戻せるよう支援を実施します。

ユニセフは1948年以来インドネシアで活動しています。ユニセフは、これまでも、政府と非政府組織(NGO)と協働して、自然災害などの緊急事態の後の子どもたちの生活の正常化に尽力してきました。代表的なものの中には、13万人が命を失った2004年のインドネシア・スマトラ島沖大地震での緊急・復興支援活動が挙げられます。

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スマトラ沖地震緊急募金
郵便局(ゆうちょ銀行)
振替口座:00190-5-31000
口座名義:財団法人日本ユニセフ協会
*通信欄に「スマトラ」と明記願います。
*送金手数料は免除されます。
*当協会への募金は寄付金控除の対象となります。

なお、当緊急・復興支援に必要な資金を上回るご協力をいただいた場合、現在行われている他の緊急・復興支援に活用させていただくことがありますので、ご了承願います。
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 募金の詳細は、日本ユニセフ協会のホームページをご参照ください。
 現在、受付中の緊急・復興募金
 日本ユニセフ協会・ユニセフ募金のお申し込み中にも分野・地域指定募金があります
【地震による津波被害  ユニセフ緊急対応チームを派遣】
20090928samoa.jpg [2009年10月1日 フィジー(首都スバ)発]

ユニセフ(国連児童基金)は、9月29日朝(=現地時間/日本時間30日未明)、南太平洋サモア沖を震源とするマグニチュード8.3の地震で発生した津波の被災者を支援するため、フィジーの首都スバにあるユニセフ太平洋諸国事務所より緊急対応チームを派遣。いち早くサモアとトンガに人道支援を開始します。ユニセフはまた、米領サモアにも支援を行う用意をしています。

ユニセフ太平洋諸国事務所代表のイシエ・ンドンビ医学博士は、津波による被害の甚大さに驚き、影響を受けたサモアとトンガの被災者たちを慮り、迅速な支援を約束しました。

「被災したサモアとトンガの子どもたちやその家族に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。これは信じられない規模の災害であり、ユニセフは、サモアとトンガにいるパートナーや国際機関と協力しながら、迅速な援助物資の提供と支援を行います。ユニセフは、過去の経験から、子どもたちに直ちにはしかの予防接種を実施し、困難な状況にある女性と子どもたちを保護し、疫病等を予防するため適切な衛生設備(トイレ)を設置することが重要であると認識しています。ユニセフは、こうした分野での支援をいつでも提供できる準備があります。米国政府はすでに、米領サモアを大規模災害地域に指定したとのこと。ユニセフ太平洋諸国事務所は、米国政府からの要請があれば米領サモアにも支援を提供する用意があります。」

ユニセフ太平洋諸国事務所は、女性と子どもたちに重点を置きながら、迅速なニーズ調査を行い、サモアとトンガの子どもとその家族に対して、直ちに物資支援、そのほかの支援を提供する予定です。こうした活動は、国連常駐調整官事務所と国連人道問題調整事務所との調整のもと行われます。

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サモア地震津波緊急募金
郵便局(ゆうちょ銀行)
振替口座:00190-5-31000
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なお、当緊急・復興支援に必要な資金を上回るご協力をいただいた場合、現在行われている他の緊急・復興支援に活用させていただくことがありますので、ご了承願います。
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「説得」+「参加」+「平和」~ポリオ根絶に必要なもの~
20090919afgan.jpg 【2009年9月16日 アフガニスタン発】

←アフガニスタンで実施されたポリオ予防接種キャンペーンで、経口ポリオワクチンを投与される子ども。
ユニセフと世界保健機関(WHO)は、今月、アフガニスタン全土の子どもたちを対象に、3日間にわたるポリオ根絶予防接種キャンペーンを実施しました。アフガニスタンは、世界で、いまだにポリオが流行している4ヵ国のうちのひとつです。

ポリオの根絶は、国際社会の最優先課題の一つです。そして、その達成には、「3つのP」のアプローチ、すなわち「説得」(persuasion)、「参加」(participation)、「平和」(peace)が欠かせません。

9月21日の「国際平和デー」を盛り上げるためのイベントとしても位置づけられた今回のキャンペーンは、5歳未満の子ども120万人を対象に実施され、総勢1万5,000人の保健スタッフが、国内8州(ゴール、ファラー、ウルズガン、ヘルマンド、カンダハール、ホースト、クナル、ナンガハル)で、全ての家庭を一軒一軒訪問しました。

【「参加」を確保するための家庭訪問】

「私には6人子どもがいますが、今日、6人全員が予防接種を受けることができました。」保健スタッフの訪問ではじめて今回のキャンペーンを知ったファティマ・ファルザドさんは、こう話しました。

ファルザドさん一家のように、多くのアフガニスタンの家族は、保健施設を利用することができません。経済的な問題、保健施設まで距離の問題、治安上の問題など、様々な困難に直面しているのです。

「私の州に住む人々の多くは、治療不可能な病気に罹っているわけではありません。人々は、失業、貧困、暴力の恐怖に苦しんでいるのです。各国政府や世界中の人々が、私たちの状況に目を向けてくだされば、アフガニスタンの人々は救われます。ユニセフとWHOが、私たちの地域で実施している活動に非常に感謝しています。しかしながら、もうひとつのメッセージを伝えなければなりません。こうした成果が生まれている一方、まだまだやらなければならないことが山積しているのです。」サイド・モハメド・エクバル・ムニブ ゴール州知事はこのように話しました。

ゴール州の15万6,000人の5歳未満の子どもたちが、このキャンペーンを通じて予防接種を受けました。

【親の責任を「促す」】

アフガニスタンでは、いくつかの州に限られていますが、いまだに、ポリオウイルス(野生株)の蔓延が報告され続けています。しかし、ポリオの症例は、1999年は63件、2006年は31件、2007年は17件と、着実に減少し、成果は既に表れています。

こうした成果は、アフガニスタンの公衆保健省とユニセフ、WHO、国際ロータリークラブ、米国疾患対策予防センターをはじめとする「国際ポリオ根絶イニシアティブ」の協力の賜物にほかなりません。こうした協力によって、ウィルスの封じ込めや流行を食い止めることができました。

しかしながら、2008年からアフガニスタンでの武力衝突が再び激化し、治安が悪化。紛争地域への予防接種チームのアクセスが制限されています。こうしたことから、ポリオの症例数は上昇。今年に入ってから、既に、20の症例が報告されています。

こうした傾向を食い止めるには、親やコミュニティの人々への啓発活動と人々の参加が必要不可欠です。

「ポリオの根絶は、世界中全ての人にとって必要なことです。」WHO・アフガニスタン事務所のピーター・グラフ代表はこう話します。「私は、ゴール州の地域のリーダーに、この地域の全ての親に、子どもたちに予防接種を受けさせるよう求めました。(根絶を実現するためには、)コミュニティの全ての人々が、この活動に参加しなければなりません。ゴール州の子どもたちだけでなく、アフガニスタン全土の子どもたち、そして世界中の子どもたちに対して、私たちはポリオを根絶する責任があります。」

【必要不可欠な「平和」】
今年8月には、4回にわたり、全国一斉の戸別訪問予防接種キャンペーンが実施され、750万人の子どもたちに予防接種が実施されました。ポリオの流行を防ぐため、こうしたキャンペーンに並行して、国中の保健施設で、定期予防接種活動が行われています。

一方、政情不安のため、約10万人の子どもたちが、いまだに予防接種を受けていません。

「全ての子どもたちに予防接種を行うために、平和は必要不可欠です。」ユニセフ・アフガニスタン事務所のキャサリン・ムゲンベ代表はこう話しました。「ほんの数秒あれば、子ども一人に予防接種を行うことができます。でも、その効果は、一生続くのです。」


地雷に関する啓発のための国際デー
~アフガニスタンの大地から戦争の遺産を取り除け~


【2009年4月3日 ニューヨーク発】

月4日、第3回地雷に関する啓発のための国際デーが世界中で実施されました。世界に初めての人道支援地雷活動プログラムはアフガニスタンで20年前に始まりました。しかし、アフガニスタンは依然危険な状態が続いています。

1989年の地雷除去活動開始以来、70,000人以上のアフガニスタンの人々が殺害され、重傷を負っています。2008年前半だけで、445件の地雷事故が報告されています。悲劇的にも、危険な金属製品をおもちゃや貴重な金属のくずと間違えた多くの子どもたちが巻き込まれています。2009年最初の2ヵ月中に報告された48件の事故のうち、31件は子どもたちを巻き込んだものでした。ユニセフの支援のおかげで、これらの数は減少しつつあります。

「地雷に関する啓発教育と安全な遊び場を設立したことによって、確実に地雷事故件数が減りました。これは、子どもたちだけでなく、青少年センターを通じて親たちにオリエンテーションを行ったからです。」と、ユニセフ・カブール事務所のナジブルラ・ハメーム子どもの保護担当官は話しました。

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アフガニスタン緊急・復興支援募金
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【もっと広範囲を網羅すること】

この活動を始めてから20年経過した現在も、地雷除去、地雷に関する啓蒙活動、社会復帰のための活動において、いまだに8,000人以上がアフガニスタンで活動しています。最も危険な地区の80%で地雷が除去されましたが、いまだおおよそ720k㎡、2,000以上のコミュニティーが危険に晒されています。ナンガハル州のワチ・タンガイ村は、規模は小さいですが重要な成功例です。パキスタンとの国境付近に位置し、地雷のために居住に適さなかったこの村は、現在600世帯が生活しています。ワチ・タンガイ村は、武装勢力により強制退去させられたアフガニスタンの人々のための再定住地区の1つです。多くの人々がパキスタンの避難キャンプで10年以上過ごしました。

【安全な遊び場】

ワチ・タンガイ村の小学校は、村の中心部にあります。学校はユニセフが支援した遊び道具を備えた遊び場としての重要な役割を担っています。設備の整った遊び場の提供は、子どもたちが安全ではない遊び場に入り込む危険を減らしました。

「これは子どもたちを学校に通わせるため、また安全な遊び場に呼び寄せるためにとても良いイニシアティブです。この遊び場は、教育部門における私たちの支援の中で重要な側面になっています。」と、パラカシュ・トゥラドハルユニセフプログラム担当官は話します。
地雷への意識、若者の協力ユニセフ・アフガニスタン事務所は、アフガニスタン全土で137の安全な遊び場を設立するのを支援しました。「この目的は、子どもたちに地雷を踏まずに行かれる遊び場を提供することです。私たちは、青少年情報センターと協力して、若者たちが活動できる機会を与えています。」(ハメーム子どもの保護担当官)

ユニセフは、また地雷への意識を高めるため、150万のアフガニスタンの人々に地面に潜んでいる危険について教育するプログラムを支援しています。現在、地雷に関する啓蒙活動は教育省と共同で実施されています。被害者への支援は、公衆衛生省を通して行われています。

【地雷に関する啓発のための国際デー】

ユニセフはその他国連諸機関、パートナーと共に、2009年4月4日にアフガニスタン以外でも世界中で開催される第3回地雷に関する啓発のための国際デーのイベントを支援しています。ユニセフは過去15年間にわたり地雷に関しての活動を実施しており、コロンビアからコーカサス、エチオピアからスーダンまでの35ヵ国での活動を支援しています。

ユニセフはまた対人地雷全面禁止条約、またそれに関する国際文書への調印、承認、実施を支援しています。
【台風16号被害 ユニセフ緊急支援活動をスタート】
20090928firipin.jpg[2009年9月28日 フィリピン発]

ユニセフは、台風16号(現地名「オンドイ」・国際名「ケッツァーナ」)の被害を受けた子どもとその家族の緊急のニーズに対応するため、総額14万3,000米ドルの緊急支援物資を提供しました。首都マニラが台風に襲われてから24時間以内に、食糧や、一時避難所を設置するための資材が、洪水に見舞われた地域に支援物資を配布するフィリピンの社会福祉開発省に届けられました。

ユニセフは、台風「オンドイ」の被害を受けた子どもとその家族の数が増えていることに大きな懸念を表明しました。12時間で一ヵ月分の雨量をもたらした台風「オンドイ」によって、メトロ・マニラの25パーセントが洪水に見舞われ、被害はフィリピンの24以上の州に及んでいます。現在、死者の数は100名にのぼりますが、その数は救助・復興活動が進むに連れて増えるものと見られます。フィリピンの国家災害調整委員会の報告によると、100万人以上が被災し、200ほどの避難センターには、22万6,000人が避難を求めてやってきています。また、いまだ高台や屋根の上で、救助を求めている人々もいます。

「台風の影響を受けて、いまだ身動きかとれないで救助を求めていたり、避難センターに避難している数千人もの子どもとその家族を非常に案じています。今回の災害は、すべての子どもたち、中でも愛する人を亡くしたような子どもたちにとって、大変衝撃的な経験です。」ユニセフのバネッサ・トービン代表は話しました。

ユニセフは、フィリピン政府や他の人道支援団体と密接に連携し、今最も求められる救援物資とサービスを、避難を余儀なくされている人々に届けるため、緊急支援活動を行っています。これらの人道支援団体は、緊急支援専門家から成る現地調査チームを編成し、大洪水の被害の規模を明らかにするため、今日現在も、多くの被災地を回っています。

「今日、洪水に襲われたタギグ市、マンダルヨン市、ケソン市を訪れ、多くのコミュニティの破壊的状況にショックを受けました。しかし、それ以上に驚かされたのは、近隣の人々を助けるために自宅を開放している都市の人々の協力的で寛大な様子でした。」(バネッサ代表)

「今後48時間以内に、衛生キット、必須医療品、飲料水浄化用タブレット、簡易トイレ、毛布や石鹸などを含む家庭用キットなどの支援物資を届ける予定です。また、ユニセフは、被災した人々への支援物資の提供の格差がないよう、フィリピン政府と他人道支援団体への技術的支援も行っています。」(バネッサ代表)

緊急支援活動を展開する中で、ユニセフは、子どもたちへの長期にわたる影響を懸念しています。また、広範囲にわたる洪水がもたらす健康面のリスクに加え、現在、さらに2つの熱帯低気圧がフィリピンに向かっており、木曜か金曜にもフィリピンに上陸するかもしれないとの情報から、今後の対応を準備しています。

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フィリピン台風緊急募金
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